ワードプレスサイト上でマルウェアを特定し、駆除した実例をご紹介します。
当社では保守契約の無いお客様についてもワードワードプレスの障害対応を行っております。「サイトが表示されなくなった」「ダッシュボードにログイン出来なくなった」「サーチコンソールでエラーが検知された」など多々対応させていただいております。
特に多いのが今回ご紹介するマルウェア(ウィルス)感染の対応です。
病気のウィルス同様、症状は様々です。
変なサイトに移動する、知らない広告が表示される等、マルウェアが原因で意図しない動作をしてしまいます。場合によっては、警告が表示され、サイトが一切閲覧できなくなることもあります。
今回対応させていただいたサイトの環境です。
割と有名どころのレンタルサーバーを利用。ワードプレス本体も最新バージョンを保った状態で運用していました。
FTPで調査する方法は非常に簡単です。マルウェアを発見する際に気にすべき点は以下2点です。
FTPでアクセスすると、ファイル名とともに更新された「日付」が表示されます。他のファイルと比較して更新日が新しいものをチェックしましょう。特に、ワードプレスの更新やプラグインのアップグレード日とはかけ離れた更新日のものはかなり怪しいです。
特に各ディレクトリーにある「index.php」や、テーマ内の「index.php」、「functions.php」はよく改ざんの対象になるので要チェックです。
更新日が他のファイルと比べて新しいファイルはダウンロードして、中身を確認しましょう。マルウェアに感染しているファイルは、本来存在しないコードが羅列しています。以下のようなコードがあり、アルファベッドで意味不明なコードが書いてあったらマルウェアコードの可能性があります。
base64_decode()
eval()
もし特定が難しようであれば、本来のファイルと見比べてみると良いでしょう。ワードプレスのコアファイルであれば、運用中のバージョンと同一のバージョンのワードプレスを公式サイトからダウンロードし、上書きすればOKです(コアファイルにカスタマイズしている場合は、設定が消えてしますのでご注意ください)。
既存のファイルにマルウェアを埋め込むコードだけでなく、新規にマルウェアコードを含むファイルが設置されるケースもあります。
FTPで各ディレクトリーを確認します。既存のファイルの確認同様に、更新日の新しいものをダウンロードし中身を確認しましょう。不正なファイルだけでなく、ディレクリーとして存在する場合もあります。
特に、不正なファイルと思われないよう「存在しそうな名前」がついているので、注意が必要です。
ファイルがマルウェア(ウィルス)感染しているだけの場合もあれば、不正なユーザーアカウントをシステム上に作成されているケースもあります。
ダッシュボードにログインし、「ユーザー」→「ユーザー一覧」へアクセスし、不正なユーザーが作成されていないかを確認します。もし不正なユーザーアカウントが存在する場合は、速やかに削除します。
今回の調査で以下の通り、マルウェアを確認しました。
.htacess、ルートディレクトリー直下のindex.phpは更新日が他のファイルと異なり最近更新されていました。FTPでダウンロードして中身を確認すると、マルウェアコードが埋め込まれていました。
本来存在しないファイルについては中身を確認すると、.htaccess同様にマルウェアコードを含む内容。
以下の作業を行いました。
マルウェア駆除作業を行っても、不正なファイルやコードが残っている場合再発する可能性があります。作業後しばらく時間をおいて、再度マルウェアがないかを確認しましょう。
ちなみに、以上の作業後にマルウェアは確認できませんでした。
サーバー上の変更を記録しているログがない為、原因は調整できませんでした。
ダッシュボードを調査する限り、最新バージョンにアップグレードしていないプラグインがありました。
・EWWW Image Optimizer
・WP Fastest Cache
過去にクロスサイトスクリプティングの脆弱性が報告されていたバージョンで運用していました。お客様に確認し、削除し公式ディレクトリーから最新バージョンをインストール後有効化しました。
※プラグインによっては、削除するとサイトの一部やサイト全体が表示されなくなる可能性がありますので作業前に確認しましょう。
マルウェアに限らず、ワードプレスのサイトを安全に運用する対策をご紹介します。
ワードプレスサイト上だけでなく、怪しいサイトにアクセスしないといった点も重要なポイントです。
ご存知の方も多い方も思いますが、怪しいサイトにアクセスた際にブラウザからパスワードを抜かれてしまうといった攻撃(クロスサイトスクリプティング:XSS)がある為ですね。
運用しているサイトが万全の状態でもあっても、他のサイトやメールに仕掛けられたリンクをトラップにする巧妙な罠があり、そこからパソコンの情報が抜かれてしまうという可能性があることにも注意しましょう。
サイトの調子がおかしい、マルウェア感染かもとお悩みの場合は、ぜひカスタマイズネットにお知らせください。
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